千景くんは幼なじみ
「暗いのはさー、オレとの事だと思ってた。でも、それだけじゃなかったんだな。

昨日瀬尾さんに、仲直りしたっつー報告したら…結愛ん事心配してたわ」

「瀬尾くんが?」

「あぁ。オレには言ってなかったけど。最近結愛が、よく一人でいるって」

…うわ。

瀬尾くんまでもが、気づいてたんだ。





ちーちゃんを見上げ、ニコッと笑ってみる。

「クラスでは…ちょっとうまくいってないけど、大丈夫。すごく大切な友達が、一人いるから。

たくさんの薄っぺらい友情より、今はその子一人の力が…私を強くしてくれるんだ」

「へぇ。そんな友達、いたんだな」

ちーちゃんはニッと笑って、繋いだ手を離した。

…あれ?

手、繋がないんだ。





そしたら。

ちーちゃんは私の隣に立ったまま、背中に腕を滑らせ、私の腰に手をやる。

そして、キュッと引き寄せた。

「結愛、今日はやっぱこーしよっか。こっちのが、オレ落ち着く」

…うわぁ。

何か。手繋ぐより…恥ずかしい。

めちゃくちゃ密着。


< 365 / 460 >

この作品をシェア

pagetop