千景くんは幼なじみ
「…歩きにくいよ。それに、恥ずかしい」

周りを見れば、カップルはちらほら見えるけど、みんな少し離れて歩いてたり、軽く手を繋いでるぐらい。

恥ずかしくて少し俯く私に反して、ちーちゃんは全く気にする素振りもなし。

「そか?気にすんな。オレの彼女だって、みんなに見せびらかしたい」

…はずぅ。

よく言うよ。

「何言っちゃってんのー!?」

「ハハ。あ、そーだ。今日、瀬尾さんや他の先輩に途中で会ってもオレ合流しねーって決めたから」

ほ…本当に!?

嬉しいっ。

何だかんだ言って、先輩たちが呼んだら…ちーちゃんはそっちに行っちゃうんじゃないかって思ってた。

もし、その約束を守ってくれるとしたら、すごく嬉しい。

「だけどー。紹介は、させてな?」

「うん、もちろん!私も挨拶したい。あっ…それでね、私もちーちゃんに紹介したい友達が。

さっき言ってた、私に力をくれる親友」






そんな話をしていたら、ちょうど彼女の姿が目に入ってきた。

私たちの少し前を歩く、女子のグループ。

後ろ姿だけど、私にはわかる。



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