千景くんは幼なじみ
しまった。

今彼女は?じゃなくて、前の彼女とより戻った?とか。彼女との事、ごめんねって言わなきゃダメだった。

自分はちーちゃんと付き合ってるのに、その聞き方はないよねぇ。

あぁ、ダメダメだ。私…。

口ごもってると、寿太郎くんはそんな事はあんまり気にしてなさそーだった。

ハイ、

大物は、ちょっとの事では動じないみたいで。いちいち考える小物の私。

「今日さ、オレ一人で来たんだ。丸ちゃんと後で待ち合わせー。穂積や和奏、どこらかな?」

そう言えば、寿太郎くんの周りには、磐田の制服を着た子が見当たらない。

一人で来たんだぁ。

穂積と私がずっとまともに会話してない事、きっと寿太郎くんは知らないよね。

寿太郎くんは、恥ずかしそーに微笑むと…。

「実はさ、オレ極度の方向オンチで。結愛ってー今、ひとり?良かったら、和奏に会うまで一緒にいてくれないかな…」





あ…

ダメ。

断らないと。






寿太郎くんは友達として、すごく好き。

学校を案内してあげたいけど、今日はちーちゃんとまわるんだから。




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