千景くんは幼なじみ
「ごめん!私、友達と約束してて」

あれからしばらくたつけど、未だに鳴らないポケットの中の携帯。

ちーちゃん…

本当にトイレ?

ここから校舎はかなり離れてるんだけど、用を足すぐらいなら

一階の一番近い場所なら

もう連絡あってもいい頃だよ。





そんな事を思ってると、寿太郎くんが慌てて両手を自分の前でブンブン振った。

「あ!ごめんな。そーだよな、オレのこういうのがダメか。結愛、彼氏いんのにな…ごめん」

…私みたいな事思わないでよ。

寿太郎くんは、全然ダメじゃないよ!

「え…と。和奏くんの所まで、連れてってあげる。それだけしかできないよ?いいかな…」

せめてもの罪滅ぼし?

寿太郎くんとは、またしばらく会わないだろうし。

このぐらいは、してあげたいなって。






和奏くんの所まで案内したら、すぐ別れるから。

だったらちーちゃんも、怒らないよね?






「うわ、マジで!?やった」

本当にフラれたの?

って言いたくなるぐらいに…

今日もやっぱり

まぶしい寿太郎くんの笑顔。






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