千景くんは幼なじみ
だから…

伸ばしてた前髪切ったのにーっ。

…好きだけど、ムカつくコイツ。



うぅ、イライラしてきた。




「それとさー、最近化粧濃くね?スッピンで学校行けって」

「やだよ。…別に、濃くないし」

ちーちゃんが今日一緒に歩いてた子だって、化粧してたじゃん。

あの子は良くて、私はダメなワケ?





う。また思い出した。あの子のコト。

「ちーちゃん、私今日見ちゃった」

「そーなん?あ、コレ借りてくな。それと…コレ」

ちょっとぉ…ヒトの話聞いてるぅ!?




ちーちゃんは私の話半分で、自分が借りたいCDだけをラックから抜いていく。

見ちゃった

に対する動揺すら見られない。





「見たんだってばー。ねぇ、聞いてよ!」

「うるせーなぁ。聞いてるっつの。勝手に話せよ」

む…むかーっ!

ムカつくけど、好きだから…

やっぱり聞いて欲しい。っていうか、何であの子と歩いてたのかを…

教えて欲しい。




< 39 / 460 >

この作品をシェア

pagetop