千景くんは幼なじみ
「ちょっとカッコいいからって調子のってんなよ!?オマエクラスなんざ、どこでもいるしっ!結愛を裏切るなんて、ホントサイテーだっ」

穂積、ちーちゃんに啖呵きってる。

ちーちゃんを好きだった穂積にしては、そのモンクは上出来…?

「結愛…」

梓は泣いていて、あまりちゃんと話せる様子じゃない風に見えた。

ちーちゃんは頭を抱え、大きく溜息をつくだけで、私に何の弁解もしなかった。

私たちが近づいても梓の腕を離さないちーちゃんを見て、胸が痛む。

「ちーちゃん、やっぱり梓と知り合いだったんだ?」

「…ちくしょー、何で後つけてきたんだよ」

え、そっちなの?

ごめんとか、実はそうなんだとか、そうじゃないんだ?



その言葉に、

穂積がキレた。



バシッ



…うっそぉ。

男子顔負けの力の入れ具合で、ちーちゃんを…本気で殴ってしまう。

男前~っ!

いや、感心してる場合じゃないよ。

穂積に殴られちょっとよろけたものの、ちーちゃんは反撃する事もなく、地面に唾を吐いた。

「くっそー。何なんだよ、オカマ」

< 390 / 460 >

この作品をシェア

pagetop