千景くんは幼なじみ
私?

ううん。




ちーちゃん?

ううん。





「ふっざけんな!知りもしないくせに、適当な事言ってんじゃないよ!」

キレたのは…梓。

腫れた目で、穂積に突っかかっていく。

穂積も、想定外の位置から怒鳴られたもんだから、一瞬言葉を失っていた。






梓、完全にちーちゃんの味方なんだね。

二人は、私の知らない所で…デキてたの?






不安な気持ちで成り行きを見守っていると、向こうから誰かが走ってきた。

「おい、千景~っ。オンナに囲まれて何おいしい状態…。げぇっ!」

…げぇっ?





私たちのいる場所に走って来たのは、見慣れない制服を着た…一人の男の子。

誰?

ちーちゃんの友達にしては、チャラけてる。

でも、何か見た事あるよーな…。






目を凝らし、必死に思い出す。

げぇっと言った男の子は、私の横で急ブレーキをかけ、立ち止まった。

そして、それと入れ替わりに…

梓が走って逃げた!





< 392 / 460 >

この作品をシェア

pagetop