千景くんは幼なじみ
不機嫌顔だったちーちゃん、今は何だか晴れやかな表情をしていた。

あーんな顔で、女の子に声をかけてたのかと思うだけで、むかむか。

ヤキモチ?

過去の事に妬いても仕方ないけどね。それに、事実は今から確かめないと。









しばらくその場でボーっと待っていたら、曲がり角の向こうから、ザッと土を蹴る音が聞こえてきた。

来たっ!?

「見ーっけ!」

私が怒る間もなく、突然現れたちーちゃんは、大胆にも…正面から私に抱きついてきた。

何を言おうかずっと色々考えていた言葉が、全てその瞬間に飛んでしまった。







「ちー…、ちーちゃん。くるしー」

「結愛…、ずっと、何考えてた?」

「え…?」

ちーちゃんは、私を抱きしめる腕を更に強める。

「ごめんな、一人にして…」

何?何でいきなりこんなに素直なのぉ!?

ちーちゃんらしくない。



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