千景くんは幼なじみ
「でもさ、ワタルと付き合い長いけど…アイツがあんな一人に執着してんの初めてだから。

手ぇ出してないのも…あの子だけ」

そうっ…そうなんだ。

ちーちゃんは、ニヤニヤして頬から指を滑らせ、今度は私の首筋を撫でる。

ぞくうっ…。

「…何ぃ?」

「ん?オレも、ずーっと結愛が好きだなーって思ってさ」

な…

何っ。

ここで突然告白ですかぁー?

心臓がバクバクいってる!






「い…今、その話関係ないよねぇ?」

嬉しいけど、さっきから…

迷路に迷って曲がり角を曲がって来た子と、バチッと目が合う。

私たちの姿を見て、みんな慌てて姿を消すんだ。

ちーちゃんは背を向けてるから、気にならないんだろーけど。

私はもぉ…

それが気になって、気になってしょうがない。

「あの子さ、ワタルをまだ好きなんだろな…。ワタルは自分がしつこくて重すぎて嫌われたって思ってるし。

だから二人を会わせてやろーと思ってたら、オカマが来て…」

オカマって。穂積、ちーちゃんの中ではもうそんなネーミングがついてんだ。

ヒドいよ。あの時、一発殴って正解だったよ、穂積。


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