千景くんは幼なじみ
話を聞きながら、ちーちゃんを軽く睨む。

「んな怖い顔すんなよー。今頃…二人、多分うまくいってるから」

「え…本当に?」

「あぁ。迷路で彼女捕まえて…ワタルんトコ連れてこーと思ったらさ、アイツ後ろから追って来た」

「うそっ!やったぁ~」

「で、結愛探しに行くはずが…オレ間違って迷路から出ちまって。実行委員が、逆走禁止、再入場は入口からとか言うしさー。

ま、どうやったって出口に来るだろと思ったら…まだいたし」

ちーちゃん、ププッと笑う。

「もぉ~、笑わないでよ。だって、苦手だもん…迷路」

「だよなぁー。ホント、昔っから、危なっかしーな。

でも…そーいう頼りないトコがスキ。オレを頼ってくる、結愛の顔…たまんねぇ」

「はぁっ?どんな顔よぉ」

「さっきしてたろー。助けてぇ~って、金魚みたく口ぱくぱくしてたじゃん」

「ば…ばかっ!してないしっ!あれはねぇ、ちーちゃんが先に迷路出てたから、ばかって叫んだだけだもん」

「あーっそ。それでも、スキ。オレに向かってくるけど…最後には、負ける、結愛が…スキ」

ひゃあ…

そんなにスキスキ言われると…

慣れなくて、こそばゆいっ。



< 408 / 460 >

この作品をシェア

pagetop