千景くんは幼なじみ
「好きだから…、この関係ずっと壊したくなかった」

ちーちゃんは私の指に、自分の指を絡める。

「…え?」

「好きだ…つった途端にさ、オレ見事に崩れたじゃん。歯止めがない分、すげーキス…したくなるし、余計可愛く見えるし」

恥ずかしー。そんな事思ってたんだ?

「じゃあ…いいよ?キスしても」

「何言ってんの?また苦しいとか言うだろー」

「い…言わない」

「ふーん」

ちーちゃんは、私から視線を少し逸らし…一呼吸おく。

ドキドキ

だって、私だって。

ちーちゃんが大好きだから。また…あの優しいキスが欲しいよ。

「うん。だからぁ…軽~いやつ、ね?」

ドキドキしながら、ちーちゃんを見つめて言う。

「は?何言ってんの」

「だ、だって。優しいキスが…いい」

ばか。こんな事、言わせないでよ。

「…いま?」

ちーちゃんの甘い顔が、少しずつ近寄ってくる。

今っ?

えぇ…と。どうしよう。

唾をのみこみ、吐息を感じる。






うん、今

…って言う前に…

ゆっくりと、

優しく唇を塞がれた。





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