千景くんは幼なじみ
肩に手の温かさを感じ、そろそろかな…と思った時。








パーンッ!









「…きゃっ!」

思わず、耳をふさいだ。





「やりーっ!めちゃキレイ」





ちーちゃんは、私をそのままギューッと抱きしめて、顔をこすりつけてきた。

何が起きたか、よく理解できてない私。




窓の外を見ると、

次々と激しい音が鳴り響く。

色とりどり放射状に散っていく、光のラインを見て…

それが、打ち上げ花火だとわかった。






「うわぁ…花火!」

ちーちゃんに抱きしめられたまま、窓の外に釘付けになる。

去年はこんなのなかったよ?

生瀬祭、いきなりバージョンアップしてるし!

「今年の一年にな、花火師の息子がいてー。寄付されたみてぇ」

「へぇ~、すごいね!綺麗。もしかして知っててここに来た?」

「ま~な…」

ちーちゃんは、ちょっと照れくさそうに微笑んだ。

一緒に見る花火って…小学生以来?

今年は、今まで見れなかった分…たくさんの花火を一緒に見ようね。




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