千景くんは幼なじみ
「うん~。だけど、やっぱり好きだから。そばにいて、またあの笑顔を一番近い所で見てたいんだよね。

浮気したら、すぐ別れるって言ってるし。ワタルって、冷たくするとついてくるんだよねー。そこがまた可愛くって」

梓は、ワタルくんを見つめてフフっと笑う。

さすが年上。

だから梓は年下くんが好きなんだね。

梓が言ってたタイプ、ワタルくんとは少し違うって思ったけど

よく考えたら、全て当てはまる。

優しくて、笑顔が可愛くて、人なつこくって。

…あ、そんなワタルくんが、私たちの前にやってきた。

「花火終わり~。火ぃつけて」

梓の前に、新しい花火を持ってくる。

「あ!私も花火するっ」

「マジか!よし、それならオレが梓の花火に火つけてやるからなぁ」

クールじゃないし、よく喋るよね。

彼は…正に梓のタイプなんだね。

「ワタル危なっかしい~!ちょっとぉ、気をつけてよ?火傷させたら許さないからね!」

「あいあ~い、わかってますよ?」

私そっちのけ。二人でキャッキャとはしゃいでる。


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