千景くんは幼なじみ
「結局捕まんだからさ~、無駄な抵抗すんなよな?」

「なによぉ…」

「これからは、結愛だけだから」

「これからって何?いっつもあんな風にナンパしてたんだ!女の子誘ったの、あれ一回じゃないの?で、そーいう事してるんだ?」

「いつもってのは、女関係じゃなくー」

「もぉ、やだぁ…」

「いやいや。アレ一回こっきりだし。他はねぇの。…なぁ、信じろって」

泣きたいっ。

一見クールな千景が、見た目チャラ男のワタルくんよりヒドイんじゃないのぉ!?

幻滅っ。

しばらくそんなやり取りが続いて、私が文句言うだけ言ってふてくされてると

千景はゆっくりと私の手を離した。

…あれ、どーしたんだろ。

いつもなら、逆ギレか、頑張って弁解してくる所なのに。




「わかった。信じてくんねーんだったら、いい」

え、そーなの?

そこでひいちゃう?

千景をいつまでも許してあげなかった事を、ちょっとマズイと思っちゃう。

ずっと謝ってくれてたし、本当にあれ一回だけなのかも。


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