千景くんは幼なじみ
梓の友達とも、その日以来切れてるみたいだし、過去の過ちとして…許してあげるべきか。

「…千景が、嘘つくから」

「は?嘘ついてねーじゃん。した、って迷路で言ったし。どこまでやったとか具体的に聞いてこなかった結愛が悪い」

でた!

また、私のせいですかぁ?

「そんなの…キスだけって思ったもん」

「じゃーそれでいーだろ」

何っ!?イイわけないよ?

キッと睨んで、反撃に出ようと思ったら…珍しく千景の方が、折れた。

「…もう、絶対しない」

あ…

素直じゃん。




「ごめん。マジで、絶対ナンパなんかしない。オレには…結愛だけだから」

う…うん。

いいよ、許してあげる。

でも。でもね。

「千景が、他の人とキスしたって思うだけで…ヤだ」

付き合ってなかったとはいえ、想像しただけですごく嫌。

「…だよな。どうしたら許してくれんの?」

「えっと。もうしないでくれたら…それでいい」

「ん。もうしねー。絶対…」

千景は私の顎下にそっと指を滑らせる。

自然と上を向かされて…。


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