千景くんは幼なじみ
千景に体を預け、トロンとしていると…。






「きゃぁーっ」

ガラガラ…

ガシャン!



…え?







その音に、慌てて離れる私たち。






音は…

部室内から聞こえてきた気がする。






うわぁ…

何かすっごく嫌な予感。








部室の中から、声が聞こえてきた。

「ばかっ!それ以上近寄ったら…これで殴るっ」

あれ。

私たちが誰かに見られてたと思ったのに、そうじゃなかったみたい。

千景と顔を見合わせ、部室をそっと覗く。

しかも、この声は。






中には…

穂積と和奏くんが…

ふたりきりで、床に座り込んでいた。

「おまっ…お前、今…キスしたろ!?」

真っ赤な顔した穂積が、そこにいた。

正面に座る和奏くんは、顔をしかめ頭をかいている。

「えー…とぉ」

うわ。

和奏くん、穂積にキスしちゃった!?

「嘘だっ!何のつもりだよ…人が寝てるのをいー事に…」

穂積、ここで寝てたんだ?

「…穂積、泣いてたから」

「は?泣いてねーし」




< 439 / 460 >

この作品をシェア

pagetop