千景くんは幼なじみ
「アカリなんか、うちの学校にいるわけないし。ちーちゃん高望みぃ」

「あくまで理想だって。…じゃーコレ借りてくわ」

ちーちゃんは、手に10枚ぐらいのCDを掴んでいる。

あ。もう帰っちゃう?

ゆっくりしてけばいいのに。





「CD何に使うの?」

「新入生勧誘会で流す曲探してんの。先輩に頼まれて」




新入生勧誘会。先輩?

「そーだ!ちーちゃん、部活はどうするの?」

「部活?…まだ決めてねぇなー」

「野球、またやるの?」

私がそう言うと、ちーちゃんは首を傾げる。




「珍しーな、結愛がオレの部活に興味示すの。何かあった?」

「え!?あ…あぁっ、私のね…友達の弟がぁ。磐田高校にいるんだ。今年一年だから、ちーちゃんとタメだよ」

ちーちゃんが野球部に入ったら今度こそ応援に行きたいだなんて、口がさけても言えないや。




慌てて、今日穂積からもらったファイルを取り出す。



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