千景くんは幼なじみ
「そーなんだ?」

寿太郎くんが言っていた、千景との試合の事だよね。

「そ。あいつさ、嫌な事はすぐ忘れんだって。オレは逆で、嫌な事はずっと覚えてる」

「私もそーだよ。嫌な事、解決しないとなかなか踏ん切りつかないもん」

「まぁな…。でさ、これくれた。これ持ってたら、今日必ずいい事あるって」

「絵柄が揃ったら、景品もらえるんだよね」

「おう。それも、言ってた」

そこまで言って、千景は少し眉をひそめる。






「あいつ…結愛の事、まだ好きなんだよな?」

「えっ?」

「オレさー。実は自信なくて。あいつ、やっぱすげーし、見た目も中身も…なんか、負ける」

「ちょっと。どうしたの?千景らしくな~い」

「いや、マジな話。結愛、前言ってたろ?将来プロに入るし…とか。オレにはそんなん絶対無理だしさー。

同じ部活入るとか、そんぐらいしかできねーもんな」

「うわ、だから茶道部入るって…言い出したのぉ?」

「うるせっ」

千景って…

カワイイっ!



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