千景くんは幼なじみ
「あはっ。そうだっけ?」

梓は肩をすくめ苦笑い。

「そーだよ」

「あぁー。ナンパされた日にね、ちーちゃんが私の友達に…自分からそう呼んでって言ったらしーの。だから私もその呼び方が定着しちゃって」

「…自分からぁ?」

「クラスの女子が呼ぶから…とかって、嫌がってたんだけどなぁー」

私が首を傾げると、梓は私の耳元にそっと囁く。

「あのねぇ…実はぁ」

「…えっ!?そ~なのぉ?」

「…みたい。私の友達が…ね?だから私ちーちゃんに嫌がられてるのかも」

私たちの前を歩く千景の背中を、思わず追いかけたくなった!

「梓、私…やっぱり千景と学校行くね!」

「うん。お幸せにぃ」

ニヤニヤ笑う梓。

千景の所に行こうとすると、横道から新たなカップルが出現した。










「おい、そんな近付くなっ。手ぇあたったら…ブツぞっ!」

あ。

長身のお姫さま、発見!

ブリブリ怒ってる穂積の隣で、困惑顔の和奏くん。

小さい背中で自分の穂積のカバンを二つかつぎ、まるで従者…。




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