千景くんは幼なじみ
そんな二人の後ろを歩きながら、じぃっと観察していたら…二人と目が合った。

「うわっ、結愛…!ま、また後でなっ」

穂積は真っ赤になって、和奏くんを置いたまま、走って行ってしまう。

あららん。

和奏くんと一緒の所見られて、照れてるんだ?

「結愛ちゃん、おはよぉー」

和奏くんがニコッと可愛い笑みを向けてくれる。

「おはよ!穂積と…うまくいったんだぁ?」

「へへ。まあね~。ちょっと強引に」

「強引に?え…と」

きゃ。ドキドキするっ。あの後…部室で二人は…。

「強引に抱きしめちゃった!」

「あ。…そうなんだ?」

私の反応に、和奏くんはキョトン。

「え?何ガッカリしてんの?喜んでよぉ、うまくいったんだからさ」

「あ、うん!私も嬉しいっ。そかそか抱きしめちゃったか」

「あのさ、穂積は千景くんが自分を女の子だって気付いてくれたから、嬉しかったんだって」

「うん…そうみたいだね」

「だからさぁ、オレが穂積に女の子に産まれた幸せを、教えてあげたの」

「へぇ~。…えっ、どうやって!?」


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