千景くんは幼なじみ
誰だろ。心当たりがない。

え。もしかして。それって穂積?

穂積を男と間違えてる?





そういえば…

学校帰りに穂積の部活を覗きに行った気が…する。

穂積、ジャージだったし。






プッと私が吹き出すと、ちーちゃんは目を丸くする。

「何笑ってんの?」

「別にい~。あれは彼氏じゃないよ。でも…付き合っちゃおーかなー」

ちーちゃんを試す為に言ったのに、逆にからかわれてしまう。

「おー。付き合ってみ、できるモンなら」

はぁ!?

ちーちゃんはニヤリとして、私のおでこを指でパチンとはじく。

「痛いっ」

「付き合うってどーいう事かわかってんのかよ」

「わっ…わかってるよ。ちーちゃんこそっ、彼女いるの?ホラ…最近人気あるみたいだし…」


いませんように。

いませんように。

いませんように…。





ちーちゃんはニヤリと笑い、また私のおでこをパチンとはじいた。


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