千景くんは幼なじみ
「もお~っ、嫌い嫌い嫌い~っ!出てってぇ」

ちーちゃんを部屋から追い出そうと、窓枠まで一気に追いやる。

「痛ぇっ!」

「バカ!」

「だぁからたたくなって…痛ぇよ」

「知らないっ」

私のファーストキス返せぇ。

長年の恋心…返してよぉ。





ちーちゃんは身をよじらせ、ヒャハって笑ってる。

この状況を楽しんでるから、余計ムカついた。




窓から出て行こうと、窓枠に足をのせて振り返る。

「あ…そーだ。頼むからさぁ、学校ではちーちゃんてやめてくれよな」

まただ。

…何でぇ?

「だって、ちーちゃんだもん」

「その…さ。クラスの女子が面白がって呼ぶんだよな。ガキじゃねぇしちーちゃんて…」

クラスの女子が基準なんだ?

ふん、そーですかぁ。






「嫌だ~。ちーちゃんって絶対言ってやるっ!」

「…んでだよ」

さっきのヘラヘラ笑顔はどこへやら。明らかにイラついている顔。





何よ。

ちーちゃんって言うぐらい、いーじゃんか。



ちー、チビチビ

チビのちーちゃんっ!

そう言ってやろうと思ったら…。




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