千景くんは幼なじみ
「ちー……」

ちーちゃんが、いきなり私の腕を引っ張った。

窓の外に一緒に落ちるかと思ったけど

…違った。







ちーちゃんは窓からヒョイと降りると、私を引き寄せ、顔を近づける。

「…結愛、言う事聞けよ」

「…嫌」

唇が…触れそう。

吐息が絡む距離に、心臓が破裂しそうになる。







「…じゃあ、オレも言う事聞かねーから」

ヤバいと思った時には、もう…ちーちゃんの唇が私を捕らえていた。

重なる唇…。

キツくなる腕。








優しいキスに…頭がボーっとしてくる。

強引だったから、キスもそうかと思ったら…意外にもキスは優しかった。

でも、腕でしっかり固められ、逃げる事はできない。





「…っ」

キスされてる唇は、開いたまま力が入らない。

そこへ、ちーちゃんの舌が滑り込んできた。

ちーちゃんの大人のキスが始まる。







自分のを絡み取られるたびに、幸せな気持ちに溺れそうになる。

これは…

練習なの?




違うよね?




< 59 / 460 >

この作品をシェア

pagetop