千景くんは幼なじみ
ちーちゃんはこっちをチラと見て、立ち止まった。

あ。気付いてくれた。

とりあえず、昨日の事があるから…あんまりにこやかにはしたくないんだけどね。




「おはよ、ちーちゃ…」

うわ。

すんごい睨まれてますけど、私。

ちーちゃん改め…千景くん。






「ち…千景くん、オハヨ」

「おー」

やっと返事してくれた。





「今日何時頃帰ってくる?おばさんに頼まれた事があって…」

「頼まれた?」

「うん。ちぃ…千景くんの採寸してって」

「あぁ…アレか。わかった、帰る前メールする」

「うん」

ドキドキ

目がうまく合わせられないよ。

ちーちゃんが…

いつもより更にカッコ良く見える。





昨日のキスの時の表情を思い出しちゃうんだ。

この上なく、幸せそうな顔してたっけ…。






あんな顔させてたのは私だからと思いたいけど、

ただ…

誰でもいいから深いキスがしたかっただけかもしれないし。






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