千景くんは幼なじみ
「そ…そーだよ。何であんな事したの?ひどいよ」

私がそう言うと、ちーちゃんは自分の唇に指をあてる。

「結愛が誘惑するからだろー」

「してないよっ」

「したした。目ぇウルウルさせて…緊張してきた…とかさ、誘ってる以外の何だってんだよ」

そうだ、私がしたんだっけ。

でも、それは…

ちーちゃんが私を好きだっていう事が前提だもん。

まさか、

練習台にされるとは思わないし!





「昨日の結愛は可愛いかったな~。思い出しただけでゾクッとする」

ヒャハと笑って、ちーちゃんは自分を抱きしめていた。

…バカ。




「もぉ~、ちーちゃんの変態!」

「変態でいいつってんだろ。さ、変態は昨日の事思い出しながら、妄想の中で授業受けて来まっすわ」

な…によぉ。

結愛とのキスがそんなに良かったって事?

それともただ、誰かと甘いキスがしたかった?





…いちお選びますけど、とか言わないで?





私は…






選ばれた中の

唯一じゃないと嫌だよ。






< 69 / 460 >

この作品をシェア

pagetop