千景くんは幼なじみ
「これ、どこのっ?オレも結愛ちゃんと同じ香りになりた~いっ」

マジっスか。

びひりながらも、和奏くんの大胆発言に笑顔もひきつる。

だって…

こんなの穂積に見られたらー。






「和奏くん、とりあえず離れてねぇ…。あ、それに。このシャンプー、髪のコシある子向けだから。和奏くん、猫っ毛でしょ?」

何とか同じシャンプーは免れたい。

お返しに和奏くんの髪を触ると、思った以上に柔らかかった。

「うわ。ほんとに猫っ毛だ…」

「コシ欲し~い。ほんとはさ、穂積みたくカッコいい髪型にしたいんだけどね」

「きっと似合うよ、思いきってやってみたら?」

私がそう言うと、和奏くんは首を傾げる。





「…似合うかなー」

「うん、似合う似合う」

私の言葉に、和奏くんはフフっと天使の笑みを見せた。






「結愛ちゃんてさー、場をやり過ごそうとして、たまに適当だよね」

え。






「ホントはどーでもいいでしょ、オレの髪型なんて」

いえ。



そーいうワケでは。





< 72 / 460 >

この作品をシェア

pagetop