千景くんは幼なじみ
やっぱり。

穂積はちょっと照れていた。

「和奏がベタベタすると結愛も困んだろー。ほら、何か食うモンねぇの?」

「あるっ!チョコどーぞっ」

和奏くんは、ポケットからカサカサと音をさせ、チョコの包みを取り出した。





用意いい~っ。

さすが穂積のコトよくわかってるね。







そのうち穂積は、後輩に呼ばれ教室の外へ。

またまた和奏くんと二人。






顔を見合わせると、和奏くんがクスッと笑った。

「穂積はさぁ、チョコで大人しくなんだよ」

「そーなの?」

「そ。昔から…そう。カーッとなっても、チョコの甘さで正気を取り戻す」

「正気って…ヒドくない?」

思わず笑ってしまう。

「このチョコには魔法がかかってて…穂積が一粒食べる度に、

オレを好きになる。少しずつ…ね」

えっ?

穂積くんはチョコの粒をつまんで、嬉しそうに目を細める。






「…結愛ちゃんはさぁ~、千景くんが好きなんだよね。

わかるよ、そのキモチ」




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