長編小説番外編集
見守る
ついこの前、男の子を拾ってしまった。
女の子のような顔立ち、声も中性的。
でも、ちゃんと男の子の目をしている。
BOMBの勧誘として外に出ていた私は、公園で飲み物でも買って、休憩しようとしていたわ。
でも、そうする前に、公園でその男の子を見付けてしまった。
その時私は、その男の子の儚げな表情に……胸を打たれてしまった。
可愛い顔、そして未来に希望も夢もないような、いっそ屍のような儚い瞳。
あぁ……他の人間とは何か違うものを感じてしまったの。
「オニーサン」
気付けば思わず声をかけていたわ。
「オニ一サンて、何か特技とかあったりしない?」
そう言って笑えば、不審者を見るような目で見られてしまった。
「誰だ?」
「私はレイン。本名じゃないけど。今はあなたを勧誘中」
「……」
「訂正、抜け殻みたいになってるあなたに、裏の遊びを教えてあげようと思ってね」