長編小説番外編集
放課後になると、あたしは先に呼んでいた木岐さんと蘭くん、それに暁さんのもとへ行った。
もちろん、藍と由季渡は来ないけど。
そしてごめんなさい、『解散』かけちゃって……。
「よぉ……久々だなぁ由衣。蓮も」
「……俺はあんまりお勧めしたくなかったんだけどなぁ……」
蓮が呟く。
でも最近はゲームの影響もあるみたいで、前よりは木岐さんに慣れてきたみたい。
「こんにちは。今日は――」
「早く本チョコくれよ由衣ー」
そう口を挟んだ蘭くんを蹴りとばす蓮。
まったく、相変わらずな双子だ。
「義理チョコ、どうぞお三方様」
にっこりわらって『義理』を強調。
からかうのもほどほどにしてほしい。
「サンキュー」
二人みたいにひねくれてない暁さんは、やっぱりお兄さんな存在。