長編小説番外編集
クズの始まり
あれは確か、中学に入ってすぐだったな。
どこを歩いてんのか……いや、転がってんのか?
わかんねぇけど。
大体アレだろ?
中1っつーのは小学校が終わったばっかのまだまだガキじゃねーか。
だから小学生気分が抜けてねぇみたいでよ、毎日毎日蛍都の背中にはいろんなもんがくっついてた。
髪の毛だったり、ネコの毛だか犬の毛だか……たぶん蛍都ん家のネコの『マロンちゃん』だろうな。
あとは葉っぱとかトゲだとか。
一体家でどんな生活してる上にどんな道通って学校来てんだよってくらいいろんなもんがついててな。
そのうち、『毛糸』と『糸くず』が一緒に付いてた時があったんだ。
まぁ、母親が裁縫でもしてたんじゃねーの?
蛍都の背中にハッキリクッキリ白い糸くずが付いてたんだよ。
「この流れで言うと、蛍都はクズってことかな」
辰がそう言った瞬間から、蛍都はクズで定着した。
ケッ、ザマァ(笑)by陽紀
クズの始まり/完