長編小説番外編集
「……」
「……」
中学二年、体育の途中で怪我をした私は、保健室に来ていた。
その保健室には今先生はいないらしく、変わりに――
「――お前もサボリっすか?」
「――!?」
ガラの悪い男の子……ううん、知ってる。
有名だもの……幼なじみ5人組の『陽紀』。
私の一つ下。
彼がいた。
だから逃げようとした。
「おいおい待てよ」
たるそうな声からは想像がつかないほど、その動きは早かった。
私の腕を掴んでいた。
「わ、わ、わた、私誰にも言わな……から……放し……っ」
「なんでココ来たんすか?」
「す、すみません、知らなくて、その……」
「質問答えろよ」
――怖い!!