長編小説番外編集
「城那ちゃん、これじゃお母さんに顔見せることもできないよ?もっと心配させちゃうよ?」
「お夕飯、今日はいらない」
「ダメだよ、食べなきゃ。どうせならあたし持ってくるから。お母さんには、なんとか言っとく」
紅音……。
紅音の優しさに、また涙が出てくる。
「どうしても理由言えない?」
「……ちょっとだけ……」
「……ん?」
「ちょっとだけ、勘違いされちゃったの……」
どうしてこうなっちゃったのかな?
あたしが、何かしたのかな?
どうすれば、こうならなくて済んだの?
漆を好きにならなければ……。
「勘違いって……」
「気分、悪くさせちゃったみたい……」
……どうしても、こうなることは変わらなかったのかもしれない。
敬語、ちゃんと外れたんだけどなぁ……。