長編小説番外編集
「ハイこれ」
ベンチに二人で座ってから、私は紙袋を南糸に渡した。
「誕生日プレゼントよ」
「……あ!そっか、俺も……」
バカね、やっぱり忘れていたのね。
「遊羽ちゃんコレは?」
「ウサギちゃんよ」
「じゃコレは!?」
「サンドバックよ」
サンドバックに針の跡は付いてないだろうけど、血くらいなら多少付いてるでしょう。
「……あ、あぁ、そうか……あ、ありがとう……」
苦笑いしつつも受け取ってくれたわ。
まぁ受け取らなくても殴るまでだけど。
「遊羽ちゃん」
「ん?」
南糸は私の左手を取って、宙に浮かせた。
「そのままね」