長編小説番外編集
「可能性に賭けようとしてくれたみたいだけど、昴ちゃんから会いに来てくれるなんて思わなかったよ」
敬語が無くなったのが昴ちゃんでよかった。
あの五人は……想の目は、確かだったね。
「城那さん、アイツらに会ってきますか?」
「……ううん、まだ会わない。私もまだ少し怖いというか、決心がつかなくて。それに、あの五人だってまだ会いにくいと思ってるでしょ?」
「ですよね。じゃ、それはまた後で。あぁ、そうだ!アドレス、アドレス交換しましょう!!アイツら誰一人として城那さんのアドレス知らなかったから困ってたんです」
「そう言えば私も知らない……会ったのも別れたのも、中学の頃のことだもんね。赤外線、送信でいいかな?」
「はい、受信します」
アドレスを交換してから、とりあえず今日のところは解散した。
昴ちゃんは今日のことを五人に自慢するんだって言ってたけど、私別に芸能人でもなんでもないんだけどな。
昴ちゃんは可愛くて面白い子だった。