長編小説番外編集


それが、嬉しすぎて、嬉しすぎて、私は泣いてしまった。

喜びとか、感動とか、今まで我慢して来たそういう感情が、一気にあふれ出してきた。


「突っ立ってないで早く座りなさいよ」


TEARの中から、聞き覚えのある声が聞こえて来た。


「え、あれ?兎さん……?」


カウンターの中にいたのは、辰のお姉さんである兎さんだった。


「そ、兎さんよ。ここ受け継いじゃったのよ」


そっか、私が来てた頃の兎さんはまだ高校生だったっけ。

以前TEARは辰の叔母さんが経営していた。


あれ、じゃあ、叔母さんは……?


「ここはね、私のお母さんのお姉さん……つまり叔母さんの家だったの。今はちょっと体調壊しちゃってね、私が受け継いだ形なのよ」


前半は昴ちゃんに、後半は私に、兎さんは教えてくれた。

そうだったんだ……。
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