長編小説番外編集


「昴ちゃんも座りなさい。座ってからゆっくり話せばいいじゃない。誤解なんてそれから解けばいい。あなたたちには、これからも時間がたっぷりあるでしょう?」


それは、私もここに来てもいい証。


「……兎さん……っ」


私は再び涙を流した。


「みんな、ありがとう……ただいまっ!」


私は、とても満たされた気持ちで胸がいっぱいだった。



それから私は昴ちゃんに追放されてからのことや、本当の気持ちを話したりした。

昴ちゃんはやっぱり勘が鋭いらしくて、予想通りだったらしい。

辰を見る目が殺気立っていた。


昴ちゃんは私の誤解を解く時に、漆が好きだという理由をつけて説得してくれた。

ものすごく恥ずかしくて、ちょっと漆と目を合わせるのが怖いけど、それを言わなくちゃ納得してくれなかったと思う。

だから、謝ってくれる昴ちゃんに「ありがとう」と言った。
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