長編小説番外編集
おあそび
「はっはっは!我が名はケート!残酷なる悪の使者、ヴァンパイアであるぞ!」
「……。キャーッ残念な握手の……byパン屋……だっけ?……よー!!誰か助け──」
「残酷な天使……じゃなくて、残念な……違う、残酷なる悪の使者のヴァンパイアだバカ想!!何でパン屋出てくんだよ!!町娘1ちゃんとしろ!」
「自分だって言い間違ってるじゃん」
「ちょっと有名な歌詞が頭を占領してただけだ!」
「わかったケート、君は窓辺から飛び立ってしまうんだね」
「この世界をヴァンパイアにしてからだバカ!……してからも飛ばねーよ!」
「なんだ、蛍都飛ばないのか」
「黙れ町娘B!」
「蛍都飛べるの!?」
「跳べはするけど即落下するから飛ばねぇ!」
「まったく、飛べないヴァンパイアはただのカッコ悪いヴァンパイアじゃないか。ねぇ?無口な町娘Cさん」
「……はぁ」
「コイツため息だけつきやがった!!」
「町娘D、どう思う?この高校生にして低レベルなごっこ遊び、しかもなぜか町娘しかいないこの状況」
「あ?くだらねぇ、こんなバカげたゴッコ遊びに付き合うほどお人良しじゃねーよヴァンパイア」
「十分世界に浸かってるよね、陽紀」