長編小説番外編集
こんなの、南糸に申し訳ないわ……。
クラッと視界が揺れ、南糸にもたれかかった。
「遊羽……!?」
「……あ、ただの寝不足だから……」
昨日からずっと寝ずにグサグサ作っていたから、気分が悪くなったんだわ。
少しでも寝ておけばよかった。
これからデートなのに……。
再び視界が動いた。
でもそれは、体も動いたから。
南糸の手によって、私は南糸の膝の上に倒された。
「な……!?」
コレは……膝枕!?
「いいんだよ、ムリしなくて。ムリなんてしないで」
優しく降ってくる、甘い言葉たち。
「俺は遊羽と一緒の時間を過ごせれば、それだけで嬉しいから」