長編小説番外編集
……あ、違う。
蓮耶くんの中では決まってたんだ……。
「どこか行きたい場所があるの?」
彼はクスッと笑って言う。
「ヒミツです」
……蓮耶くんの行きたい所って……?
なんか墓地しか予想出来ないんだけど……。
りーちゃんのお墓……。
それは毎年当たり前なことで、決まってて。
みんなでお昼頃に会ってから、お墓参りに行く。
でも、まだ集まる予定の時間よりも早い時間だから……先にどこか行こうとしてるの……?
今はまだ午前中で、待ち合わせの一時間前だ。
墓地がすぐそこだから、今行っても早いし……。
「奈美」
「え……?」