桜の木の下で〜君と思い出の場所
思い出の場所。
《チュンチュン》
私は、山下梢(やました、こずえ)
年齢を教えるような年でもないけれど…。70歳を迎えました。
娘の亜希子(あきこ)も嫁ぎ、孫も出来て…たまには、遊びに来てくれるけど、今は私の愛する宗一郎(そういちろう)さんと2人きりの生活を過ごしています。
最近の楽しみは、宗一郎さんと一緒に散歩をしたり、庭の手入れをすることかしら?…
ふふ…、若い時と違って趣味は変わってしまったけれど、私なりに楽しみを見つけているつもりよ。
私は、宗一郎さんと一緒に飲む、お茶を淹れていた。
「宗一郎さん…お茶の用意が出来ましたよ」お盆の上に、湯のみを乗せて、ゆっくり歩く。
「梢さん、いつもありがとう」
宗一郎さんは、にこりと微笑みかける。
テーブルの上に、湯のみをソッと置く。
「熱いから…気をつけて下さいね」
フウフウ…と、少しずつ冷ましながら、お茶に口を付ける。
「梢さん、僕と一緒にデートしませんか?」
「え?」
思わず、お茶を飲む手を止めた。
「いや…孫が生まれてからは、デートなんてしていなかったから…ダメかな?」
「いいえ…嬉しいです…宗一郎さん」
私が、にこりと微笑み返すと、良かった…と呟いた。
私は、山下梢(やました、こずえ)
年齢を教えるような年でもないけれど…。70歳を迎えました。
娘の亜希子(あきこ)も嫁ぎ、孫も出来て…たまには、遊びに来てくれるけど、今は私の愛する宗一郎(そういちろう)さんと2人きりの生活を過ごしています。
最近の楽しみは、宗一郎さんと一緒に散歩をしたり、庭の手入れをすることかしら?…
ふふ…、若い時と違って趣味は変わってしまったけれど、私なりに楽しみを見つけているつもりよ。
私は、宗一郎さんと一緒に飲む、お茶を淹れていた。
「宗一郎さん…お茶の用意が出来ましたよ」お盆の上に、湯のみを乗せて、ゆっくり歩く。
「梢さん、いつもありがとう」
宗一郎さんは、にこりと微笑みかける。
テーブルの上に、湯のみをソッと置く。
「熱いから…気をつけて下さいね」
フウフウ…と、少しずつ冷ましながら、お茶に口を付ける。
「梢さん、僕と一緒にデートしませんか?」
「え?」
思わず、お茶を飲む手を止めた。
「いや…孫が生まれてからは、デートなんてしていなかったから…ダメかな?」
「いいえ…嬉しいです…宗一郎さん」
私が、にこりと微笑み返すと、良かった…と呟いた。