幻妖涙歌
これは罰なのか。今まで何人もの村人の命を奪った報いなのか。
「最期に僕の名を呼んだ君の声が、姿が、いつまでも焼きついて離れないんだ」
いっそのこと、忘れられればどれほど楽だろう。少女のことも、少女への想いも全部、全部全部。
――初恋だった。初めて誰かを愛しいと思った。初めて誰かを欲しいと思った。――初めて、満たされた。
あと何度、少女との別れを繰り返すのだろう。何度少女を失う悲しみを味わうのだろう。