幻妖涙歌


「ねえ、また歌を聴きに来てもいい? ……無理ね、あなたは一度しか逢えないんだったわ」


 彼を求めても、二度と逢うことはできない――


 しかし、今回は違いました。彼がまた逢いたいと望んだからです。


「いや……また歌を頼りに来ればいい。目に見えない方が視えるモノもある」


 それは、初めて知った想いでした。


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