B.L.T~暗黒OLの奇妙な恋の三角形

「何か憶えてる?」

「……」

「駅のほう行ってみよっか……」

不確かな俺に焦れたか、ルカは自分でそう言っておきながら、表情がちょっと固くなった

駅が見える位置まで来て、ルカは立ちすくんでしまう

少し出歩けるようになったといっても、ヒトが多いところはまだダメなんだろう

「ルカ、ありがとう。
 もう今日はヤメとこ……」

「ゴメン……」

ルカとオフィスに戻りながら俺は思った

――俺がもしルカが嫌がるような人間だったらどうする……

俺は自分のことを知るのが怖くなっていた


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