心も体も今すぐ壊して
それから私達は重ねるだけの口付けをした。お互いの体温を唇から感じた。
「も~いい~か~い」
リビングから繋がる和室の部屋から颯斗の声がする。
颯斗…私達を二人にしてくれたんだね…ありがとう。
「クスッ。も~いいよ~」
私は先生と目を合わせて微笑んだ後、返事をした。
蓮がバタバタと私に駆け寄る。
「…お姉ちゃん!!ケーキは?!」
「あ~…ケーキね。…それが」
「ここにあるぞ」
先生がケーキを出してくれた。
先生も買って来てくれたんだ。
「…よかったな」
隣りに来た颯斗が私の頭をポンポンと軽く叩く。
…颯斗……きっと…颯斗が…先生の背中を押してくれたんだね…。
「…ありがとう。颯斗」
「俺は何もしてないぞ~。ってか、本当によかったな」
「うん。颯斗のお陰だよ。私…颯斗には迷惑かけてばかりだね」
「迷惑なんて思ってないよ。俺達親友だろ?」
ニッと笑う颯斗。
颯斗…本当に…ありがとう。