心も体も今すぐ壊して


「島谷…ちょっといいかな?」




おじさんは私を呼び出した。
しかも、放課後。
何で私が呼ばれるの。


私は不思議に思いながらも
おじさんのいるであろう、リスニング室へと入る。




「何ですか?」


「お前…昨日の事。黙ってろよ」




昨日の事?
何の事?私がホテルに居た事?


………違う。
おじさんの事だ。




「おじさんがホストしてる事?」




私は半信半疑で問い掛ける。
ホスト?多分違うと思うけど。
適当に聞いてみよう。




「…はぁぁ。ぜってー言うなよ」




おじさんは深い溜め息を付くと
タバコを取り出し、吸い始める。




「……ホスト…だったんだ」




適当に言ったのに見事にビンゴになって、びっくりした。


今は全然そんな風に見えないから、誰も気が付かないと思うけど…。


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