漆黒の少女。
正方形の部屋の明かりはテーブルの真ん中に規則正しく一列に並んで置かれている数本の蝋燭の火だけだ。
その蝋燭の火で微かに見える程度だが、男が見つめている人物が女性だということが確認が出来た。
男と女は何か会話を始めたのだが、魚が呼吸をしているように口をパクパクとしているだけで言葉に音がないのだ。
恐らく、会話のしている二人だけには聴こえるテレパシー的な会話なのだろう。少しの間、音がないテレビを観ているように二人を見ていた。
薄暗い部屋に馴れてきたのか徐々に視界が広くなってきた。
そして妙なことに気づいたのはその時だった。
手足を縛れて椅子に座っている男は俺と同じ顔をしているのだ。
いや、正確にいえば俺自身なのだろうと思う。
そしてテーブルの端に座っている女性はあの少女なのだ。
それから何かを感じて左の壁に目を向けると俺の顔だけが浮き出ている。
そうすると、この正方形の部屋に俺が三人居ることになる。
今、置かれている状況を脳の回転数を上げて考えようとするのだか全く正解を導き出せないで焦っていると視界がボヤけ始めてテレビの電源を切るように視界が途切れた。
そして、再び瞼を開くと少女が膝を抱えて俺を見ていた。
「おはよう、今日はほっぺを叩かなくてもちゃんと起きれたのね」
その言葉を聞いた時、先程の奇妙な出来事は夢なのだと分かった。
その蝋燭の火で微かに見える程度だが、男が見つめている人物が女性だということが確認が出来た。
男と女は何か会話を始めたのだが、魚が呼吸をしているように口をパクパクとしているだけで言葉に音がないのだ。
恐らく、会話のしている二人だけには聴こえるテレパシー的な会話なのだろう。少しの間、音がないテレビを観ているように二人を見ていた。
薄暗い部屋に馴れてきたのか徐々に視界が広くなってきた。
そして妙なことに気づいたのはその時だった。
手足を縛れて椅子に座っている男は俺と同じ顔をしているのだ。
いや、正確にいえば俺自身なのだろうと思う。
そしてテーブルの端に座っている女性はあの少女なのだ。
それから何かを感じて左の壁に目を向けると俺の顔だけが浮き出ている。
そうすると、この正方形の部屋に俺が三人居ることになる。
今、置かれている状況を脳の回転数を上げて考えようとするのだか全く正解を導き出せないで焦っていると視界がボヤけ始めてテレビの電源を切るように視界が途切れた。
そして、再び瞼を開くと少女が膝を抱えて俺を見ていた。
「おはよう、今日はほっぺを叩かなくてもちゃんと起きれたのね」
その言葉を聞いた時、先程の奇妙な出来事は夢なのだと分かった。