[長編]年下の恋人
学校に着き、新しいクラスを確認してから教室へ入る。この独特の匂い、嫌いじゃない。
一番後ろの窓際。
心地よい春の風が入る場所。
「お!!由香じゃん。一年間よろしく〜」
「ゆ、祐司!!こっちこそよろしくね!!」
声、裏返っちゃった…
それもそのはず。
わたしの目の前には恋い焦がれた祐司がいるんだもん。正常に居られる訳がないよ。
教室の前に貼られたクラス表を見たとき、ぶっ倒れそうになった。
だってわたしの名前の前には祐司の名前。今でもニヤニヤが止まらないよ。
しかし、違う意味でぶっ倒れそうになってる人が…
「なぁんで祐司の野郎が由香と一緒でわたしが隣りのクラスなのよ!!!!!」
「瑞穂、落ち着いて」
いくら宥めても効果がでない。関わらない方が身のため、と思ったわたしはそそくさと教室に入っていった。
祐司がいると思われる教室へ。