[長編]年下の恋人
ザワザワと煩いグラウンド。いつもなら聞こえることのない「きゃー(ハート)」と言う黄色い声がやけに響いている。
多分、いや確実に黄色い声を浴びているのはイケメン転校生だろうな。
ここまで騒がれてるんだったらちょっと気になるかも。
先生達が静かにするよう必死になってる。
その甲斐あって数分も経てばグラウンドは静けさを取り戻した。
校長先生や生徒指導の長〜い話しが続く。この時間って異様に長く感じるのはなんでかな。
暇だなぁ…
あ、そうだ!!暇潰しにイケメン転校生を探そう。
確か二年生はこっち…。
二年生の男子をじ〜っと一人一人見る。端から見ればかなり怪しいな。
ん!?
なにあの子…
わたしの視線の先にはそこいらの芸能人より綺麗かつ男らしさも兼ね備えてる男の子が立っていた。
さらさらの髪を綺麗に整えていて、透き通るような瞳に高過ぎない鼻筋。
紅すぎない綺麗な唇。
極めつけは長身ときたもんだ。モテる要素を持ちすぎ、いやモテるために生まれてきたみたい。
しかし、どこかあどけなさも残ってる。それがまたいいんだろうな。
一目見てあの子が噂の転校生だと言うことがわかった。
でも……