[長編]年下の恋人
なんでずっと見てくるの!?
しかも真顔で!!
そんな綺麗な顔、免疫ないんだからちょっと怖いよ…
だめだ。これ以上、目が合ったままだと心臓がもたない。
そう思ったわたしはかなりの速さで目を反らした。
まだ心臓がドキドキ言っている。あんな綺麗な男の子、初めて見た。
ん?どこかで見たことあるような気がする…。気のせいかな。
心臓が少し落ち着いたところで長い話しは終わりを告げた。
「解散!」と言われた途端 、話すことを規制されていた生徒達が次々と口を開く。
「どうした?顔が真っ赤だぞ」
「祐司、大丈夫…ちょっと同じ人間とは思えない人と目が合っちゃって…」
「はぁ?」
祐司に飽きれられても弁解する気力が湧かない。それくらいイケメン転校生のパワーは凄かった。
「由香さん!!!」
耳にはまた女子の黄色い声。…と、わたしを呼ぶ声?
誰だろ…
視線を向けるとそこには黄色い声の意中の人物が、とびきりの笑顔でこちらを見ていた。