Strawberry & Bitterlove
最初はただ、由香に重ねていただけだった。
初めて会った時、由香はまだ眠っていて、元気でぴょこぴょこせっせと動き回って仕事をするあいつを構わずにはいられなくて。
ただ、すぐむきになるとことか、コロコロすぐに表情を変えるところは全く由香とは似ても似つかなくて。
そんなあいつを…由香と重ねなくなったのは、あの病院で、由香の病室であいつと会った時。
未練たらしく、婚約者のいる幼なじみを想う俺にあいつは思いがけない言葉を言った。
「諦めろ」でもなく「いい人が見つかるよ」でもなく、あいつは俺に、「想いを告げろ」と言った。
俺の話を聞いてあいつは泣きながら、そう俺に言った。